海外学校関係者の方

在外教育施設事務長会議 2015年度開催内容 分科会D-アジア地区<8月7日(金) 14:20-15:50>

情報交換&フリー協議

◆学校の特色および将来的な学校運営重点項目
◆質疑応答

学校の特色および将来的な学校運営重点項目

  • 近隣の学校を呼び日本人学校が主催で出し物を行うチャイルドフェスティバルを開催している。また、第三ヶ国語として現地語を選択して現地の理解をはかっているが、一方通行の授業形態となっているのが問題。長期計画が無く、中期計画も存在が不明。児童生徒数の増加に対する校舎の増築が近々の課題である。
  • 現地理解教育として中2で1週間現地の学校への体験入学を行っている。また、子どもだけではなく職員も含めた学校交流を行っている。長期的運営方針はないが、教師の授業力を上げることと、安全な学校運営が重点項目である。
  • 当校は“日本人学校らしい日本人学校”で、基本的には国内と同様のことを行っている。3千人規模のため、学校を分割しているが、最終的には小学校2校、中学校1校の各1千人ずつに分ける計画がある。また、レベル分けクラスの設置予定のほか、事務長以外の日本人事務員の採用に伴い経営機能と各学校の事務長機能を分ける予定である。
  • 学校に一歩入れば日本と同じカリキュラムの授業を受けられる。売りは小学部で週2時間、中学部で週1時間の英会話をレベル分けで行っている点がある。治安の関係で外を歩くことができず運動不足になりがちなため、水泳に力を入れており、1年で4種目25m泳げることを目指している。また、不登校・いじめがない楽しい学校。将来的な学校運営の重点項目としては、近隣のインター校に対抗するため学校のブランド化をはかり、学力を上げる必要がある。また、国際結婚家庭の子どもに対する補習による学力の底上げや、学力の高い子どもに対する塾の代わりとなる補習を行う必要性がある。
  • 必要に迫られ、新規事業を行った。人数の問題のほか、単身赴任も可能なほど日本と近距離にあるということで、家族を連れてきたいと思えるくらい魅力的な学校となるようブランド化する必要がある。新自由主義的な学校の競争があるが、フランス・北ヨーロッパ的な、協調して全体のクオリティを上げるという進め方も本来は目指すべきところなのではないか。
  • 母校愛につながる行事が多く、子どもたちが一致団結する機会が多い。(例:合唱コンクール、夏祭りのダンス等)徒歩通学が多いため部活動ができている。レベル別の現地語教育を行っているほか、現地校と1週間の体験留学を実施している。学校校舎の老朽化にともなう移転または建て替えが課題である。魅力的な学校づくりとしては、国際家庭の子どもが多いことから、現地語に特化したイマージョン教育をできればと考えている。
  • 日本のカリキュラムプラスアルファを謳い文句にしている。学んでよかった、勤めてよかったと思える学校を目指している。日本より授業日数が3、4日多く、1クラス30人以下、英語クラス6人以下の少人数制をとっている。1年で50m以上泳げるように教育を行っている。学校内でWifi化、iPadなどのIT化のほか、インターに通っている子どもを日本人学校にUターンさせ、児童生徒数増をはかることも重点項目の1つである。また、文部科学省派遣教員を増やして欲しいという要望がある。
  • 音楽コンテスト、お神輿などを行うフェスティバルや、縦割りの運動会等、小中一貫した行事が盛んに行われており、保護者の期待も高い。現地校との交流のほか、現地語・現地文化理解の活動がある。中2で2日間にわたり日系企業で作業をさせてもらう職業体験がある。重点項目としては、児童生徒数増加が見込まれ、また渋滞も非常に問題になっており、企業から工業団地建設予定地域付近に日本人学校建設を求める声も出ている。学費はドル建てだったが、当国中央銀行の通達で現地通貨払いとなったことから、来年4月から現地通貨払いに変更予定。
  • 日本と同様な教育内容という点が特色。英語関係については、教員探しや面接等事務局が教育内容への関わりを持っている。平均25人以下のクラスで、児童生徒が割と優秀と評判があり、中学部の人数が増えている。インター校への流れを止めるために、英語への注力が必要となってくる。新校舎で屋上にプール(企業からのプレゼント)が完成予定。今後の児童生徒数が読めない中、政府に土地が欲しいという話をしていたところ土地をもらえたため、2020年あたりを目指して有効活用するための計画を進める必要がある。
  • 特徴としては、水泳で全国平均よりも速く泳げることのほか、英会話を13レベルに分けて行っており、小学3年生で英検2級に合格した児童もいる。ICTに力を入れており、授業でのICTで教員iPadを使用している。積極的な学校イメージの発信が課題であり、各校ホームページに随時更新できるようにしたところ、アクセス件数が6千アクセス(10倍程)に増えた。人に依存したITの拡充・管理が課題となっている。また、固定費・人件費以外の教材面でのコスト削減も課題である。教員にチャレンジをしてもらえる環境整備を行うようにしている。

質疑応答

Q1 個人情報関連で、保護者からの子どもの写真を掲載しないで欲しいという要望へどのように対応しているか。
⇒多くの学校で保護者の同意を取っており、同意を得られなかった保護者の子どもに関しては掲載しないようにしている。
Q2 現地採用職員への金銭の貸出制度はあるか。
⇒基本給1か月分を上限とした貸出制度があり、ほぼ全員借りている。このような制度を設けないと、日本から来た先生に直 接借りようとしてしまうため。給与天引きで1年後返済の制度だが、殆どの人が翌年も借り直している。/貸出制度は全くない。/2百万円を上限に貸出制度がある。金額により校長印のみの場合と運営委員会の印鑑が必要な場合がある。退職金で返済するという誓約書をつけた。
Q3 学校採用教員への初任者研修は実施しているか。
⇒6校で実施している。校長および教頭がカリキュラムを組んで放課後行っている。期間は1年程度、2年・3年にわたる場合もある。
Q4 学校採用教員の任期はどのくらいか。
⇒9年目という教員もいる。/最大2校で6年まで(1校は3年プラス1年延長まで可能)で、7年以降は3年契約をつなぐことは可能。/現地採用は上限年数がないため、どのように意欲を保ち活性化するかが課題。/学校採用は2年プラス1年にしていたが、問題があったため3年契約に変える必要があるのではないかと考えている。海外を渡り歩いている30歳程度の先生は、これくらいやればいいというのができていて、使いづらい事実がある。事務職員は人事異動が無く、同じポジションのままなので、課題の積み残しの問題がある。/学校採用教員しかいないため任期の上限はなく、定年の65歳まで勤務が可能だが、現実的には日本人の先生は10年くらいで辞める先生が多い。/学校採用教員は3年契約で1年延長が可能。最長で、幼稚園園長で7年の方が居る。/基本的には1年だったが、2年に合わせた。3年契約だが1年ごとに契約見直しというのが理想的。/学校採用教員は、2年契約プラス1年ごとに2回延長が可能で、更に校長が特別に認めた場合はもう1年の最長5年までという仕組みになっている。学校採用教員は5年を上限とする1年契約で、更に校長が特別に認めた場合はもう1年の最長6年まで。その後は、横移動は認められる。外国人の教員は上限全くない。/学校採用教員は様々な問題があり、今後は増やさない方針。
Q5 何十周年記念という節目にどのようなことを行っているか。
⇒著名人の講演会や、日本人会での祝賀会をはじめ、子どもの記念イベントや記念品の作成を行った。/50周年記念の際、歴代校長を招いてパーティーを行い文集を作成したほか記念品も配布した。/50周年記念の際は3千人規模のスタジアムを借りて全ての児童生徒を集めて記念フェスティバルを行い、午後はキャンパスツアー、夜は3百人から4百人規模のパーティーを行う予定。また、記念誌および記念品も作成する予定。/DVD・記念号の文集を作成した。
Q6 授業料はどのくらいの頻度で見直しを行っているか。
⇒3年に1度見直しする。/2年に1度見直す。/毎年見直す。/経験から児童生徒数が増えているときは3年に1度で対応できる。児童生徒数が減少に転じるとそのロジックがきかなくなるため毎年見直す必要がでてくる。
以上