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派遣教員医療補償制度 日本と世界の医療事情
◆ 保険制度 |
日本国内では、国民皆保険制度のもと、誰もが希望する医療(医療機関・医師)をいつでもどこでも自由に受けることができ、その費用も、保険加入者は実際の治療費の何割かを負担し、残額は保険組合などから医師に支払われる現物支給の方式が用いられています。 これは、日本に住んでいると当たり前のように感じてしまいがちですが、世界と比較すると、このような充実した制度は日本以外にはなかなかないと言われています。イギリスにもNHS(National Health Service)という制度がありますが、風邪のために、家庭医の診察を受けるために、2週間以上待たなくてはいけないようなケースがしばしばあるようです。 海外では、「医療はビジネスであり受益者負担である」という考えが一般的であり、受けられる医療サービスが国や保険会社の裁量に委ねられており、たとえアメリカのような医療先進国であっても、誰もが必ずしも満足した医療を受けられるとは限りません。 最近、有料化の是非が問われている救急車も、現在のところ日本では無料ですが、海外では有料のケースの方が一般的で、費用も国や地域によって異なり、中には十万円近くかかることもあるようです。また、日本人が海外で医療を受けようとした場合、医療機関に対して治療費の支払能力を証明するために約数万円からのデポジット(保証金)の支払いを要求されたり、デポジットが支払えない場合は治療を受けられないケースもあるので、あらかじめ何らかの保険に加入しておくことが肝要であるといえます。 |
◆ 医療レベル |
国によって、医療レベルには相当の開きがあるといって良いでしょう。無論、アメリカや西欧諸国では、日本と同等の医療を受けることができるでしょう。東南アジアや、アフリカ諸国の場合、簡単な治療であれば問題はあまりないと思われますが、手術などが必要な場合、現地では対応しきれず、近隣諸国の医療施設へ移送されるケースもしばしばあるようです。 |
◆ 風土病 |
代表的な風土病としては、マラリアがあります。マラリアは、ハマダラカという種類の蚊に刺されることによってマラリア原虫が体内に侵入してかかる病気です。マラリアの症状は主に発熱ですが、脳症、肺水腫(ARDS)、急性腎不全、出血傾向、低血糖、重度貧血、肝障害などの合併症が起き治療開始が遅れるとそれだけ重症となり、手遅れとなると命に関わります。したがって早期診断・早期治療が肝要です。 マラリアは薬で直す事ができる病気でクロロキンという薬が有名ですが、現在ではより副作用が少なく効果が高い薬が開発されています。最近マラリア原虫には薬剤耐性の問題が起きてきています。以前は良く効いたマラリアの治療薬が効かない、そんな国や地域が増えています。マラリア流行地ごとに耐性を起こしている薬剤が異なっていますので、出かける時には十分調査をしてください。 |
◆ 医薬品 |
一般的に、日本のクスリと比較すると海外のクスリは効き目が強く、副作用等もでてしまうと言われています。クスリは、その国の国民の体質に合わせて開発されていることが多いため、普段から飲んでいる常備薬がある場合は、あらかじめ日本から携行していくとよいでしょう。なお、財団では、平成18年度まで公立学校共済組合等と協力して「在外教育施設派遣組合員に対する医薬品等の配付」事業を行っていました。 |
※国ごとの医療情報に関しては、外務省ホームページの在外公館医務官情報にてご覧いただけます。 |