海外子女教育ニュース

海外子女教育ニュース

2023年度日本人学校等学校採用教員内定者等の研修をオンラインで実施(海外子女教育振興財団)(2023年4月号)2023.03.23

 海外子女教育振興財団は日本人学校等学校採用教員内定者等に向けて、事前に動画による講義を配信し、2月26日にオンラインでライブ研修を行った。
 学校採用教員とは日本人学校等の現地採用教員のうち、本財団による支援制度を通じて採用される教員のこと。23年度の内定者は124人、赴任先はアジアの日本人学校を中心に30校にわたる。今回の研修にはさらに東京学芸大学推薦合格者や文部科学省プレ派遣教師も加わって実施され、合計128人が参加した。
 研修のおもな目的は、「海外渡航に必要な準備を行う」「海外子女教育、日本人学校等について理解し、教員としての心構えを認識する」「日本人学校等の教員として求められる基本的な心構え、具体的な指導方法等について学ぶ」こと。参加者は事前に動画で配信される講義を視聴してから、当日のライブ研修に臨んだ。
 事前の講義は「在外教育施設の現状と期待」について文部科学省総合教育政策局国際教育課国際調整企画官の田中秀和氏、「教師としての基礎的素養」「教科等指導の基本的な授業の進め方」について東京学芸大学附属大泉小学校副校長の細井宏一氏、「学級経営」「生活指導」「危機管理」について東京学芸大学教職大学院教授の赤羽寿夫氏、「特別支援教育」については国立特別支援教育総合研究所主任研究員の小澤至賢氏が担当し、2月10日から3月31日まで配信された。
 26日の研修では海外子女教育振興財団の綿引宏行理事長が動画でメッセージを寄せ、参加者たちにエールを送った。
 続いて、北京日本人学校の細野輝彦校長とシンガポール日本人学校クレメンティ校の石坂克己校長がそれぞれ「在外教育施設の現状および日本人学校等の教員として期待されていることや心構え、赴任前にしておくべきこと」に関して講義したほか、クリスタル・チルドレンの佐々木恭子氏による「海外赴任メンタルヘルスに関する講話」、東京学芸大学附属国際中等教育学校教諭の高松美紀氏による講義「授業技術の基礎」が行われた。
 その後、赴任地別に分かれてのランチミーティングがZoomで行われ、参加者たちは赴任後の「仲間」同士で親交を深めた。
 午後からはそれぞれが希望の教科等(国語/算数・数学/社会/理科/特別支援教育/道徳/外国語(英語)/音楽/道徳)に分かれてワークショップに参加した。目的は、授業構成・運営や授業づくりに生かせる指導方法といった基本をグループワーク等から身につけること。
 各グループではそれぞれ、現職の教師や大学・大学院の教授らが講師となり、きめ細かなサポートが行われた。
 参加者からは、「いま赴任されている校長先生や海外子女教育に詳しい先生がたから心構えや指導方法、赴任前にすべき準備等について具体的に教えてもらえたのはたいへん有意義だった」、「事前に課題の動画を配信してもらえたのは、見返すこともできてとても参考になった」、「いっしょに海外に行く人たちと事前に交流できたのがよかった。不安が軽減して赴任するのが楽しみになった。渡航までの間、情報を交換し合いながら気持ちを高めていきたい」などの声が寄せられた。
一覧に戻る