海外子女教育ニュース

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帰国子女教育を考える会 第38回研究例会を開催(2021年5月号)2021.04.16

2月27日、帰国子女教育を考える会はオンラインで「補習授業校を理解する」を主題に研究例会を開催した。
デュッセルドルフ補習授業校(ドイツ)に通っていた吉澤さん親子が当時の体験を語ったり、関西帰国生親の会「かけはし」へのアンケート結果が報告されたりしたほか、ローリー補習授業校(アメリカ・ノースカロライナ州)元校長の野村晃一氏、ウェリントン補習授業校(ニュージーランド)とサンディエゴ補習授業校(アメリカ・カリフォルニア州)で校長を務めた経験のある森本昭憲氏が発題し、国内外から30人以上の参加者が集った。
補習授業校とは、現地校や国際学校に通う学齢期の子どもを対象に、ふたたび日本国内の学校に編入した際にスムーズに適応できるよう、土曜日などに日本の教科や文化などを学習する日本語による教育施設で、地域の日本人社会や日本政府から有形無形の支援を受けて運営されている。
小・中学部以外に幼稚部、高等部を併設している学校もある。また授業は国語のみという場合が多いが、2〜4教科実施しているところも少なくない。
正規の学校ではないため正式な卒業資格を得ることはできないが、帰国後の学校への適応だけでなく「家族のルーツである日本語を学びたい」など多様なニーズがある。
現在、補習授業校は世界で231校。規模はさまざまで、在籍児童生徒数が数人という学校もあれば千人を超えるところもあり、文部科学省は在籍者数を尺度に、約40校に教員を派遣している。
その学校生活について、デュッセルドルフ補習授業校に通った吉澤瑛人君と丈央君、そして母親の幸子さん、さらに補習授業校の元校長が体験や思いを語ったほか、関西帰国生親の会「かけはし」の皆さんが協力してくれたアンケートから親の願いや思いが詳細に示された。
補習授業校は通学が任意の学校で多種多様な人が集う。赴任間もない家庭にとっては現地のことばや生活の知恵を永住者から得られる一方、永住者は新入生の「きれいな日本語」や「新鮮な日本文化」にじかに触れられる機会となる。
授業だけでなく入学式や卒業式、運動会などの行事、休み時間の交流など日本文化を共有できる場となり、これらが楽しみで土曜日に2時間以上かけて通学したり、保護者全員に課される役割も進んで引き受けられるようになったりする。そして補習授業校の意義がわかるにつれ、子どもや保護者、日本人会との連帯感が強まり、ますます大切な場所になってゆくという。さらに、それは帰国後の日本の学校への適応だけでなく、永住者にとっても日系人としての誇りにつながっていくのではないかとの声も挙がった。
充実した発題の内容に、かけがえのない補習授業校の姿が浮き彫りになった。

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