海外子女教育ニュース

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海外子女教育基礎講座をオンラインで開催(海外子女教育振興財団)(2020年12月号)2020.11.18

海外子女教育振興財団は10月8日に本財団の維持会員企業・団体の海外人事担当者や学校会員の帰国生受け入れ担当者等を対象に、海外子女教育に関する基礎講座をオンラインで開催した。
同財団の後藤彰夫教育相談員が「赴任が決まって」「帰国にあたって」という2つのテーマで講話を実施。33の維持会員企業・団体から36人、19の学校会員から23人の参加があった。
「赴任が決まって」では、まず海外に住む子どもたちの人数や滞在地域等について概要が紹介された。後藤氏はコロナ禍以前の情報として、海外で学ぶ0〜5歳児は7万5000人、小・中学生は約8万5000人に上り、小・中学生が住む地域でいちばん多いのは、アジア、次いで北米、欧州、大洋州、中南米、中東、アフリカと続くと説明した。
さらに、海外赴任に子どもを帯同するか否かを考えるうえで大切なのは「家庭の方針」を家族間で共有しておくことと話し、その際には「TPO(時間、場所、場面に応じて行動すること)」がポイントになると述べた。
次にことばの発達については「ことばの基本は母語で育つ」と語り、海外で日本語を育てるための方法として次の八点を挙げた。
・正しい日本語で会話する。
・しりとり等のことば遊びをする。
・本の読み聞かせをしたり、童謡やわらべ歌を歌ったりする。
・本をたくさん用意する。
・日記や作文、手紙を書かせる。
・日本語のDVD等を活用する。
・子ども同士の交流をはかる。
・日本の親戚や友人と交流する。
また、0〜12歳における母語の成長過程を図で示しつつ、この期間は「ことば=生活」であると話した。心がけたいこととして、乳幼児期はことばの十分なインプットが必要なため、話しかけたり読み聞かせを行ったりすること、母語の基礎ができる4〜8歳くらいは母語を使う環境を整えることが大切なため、日本語で話せる友だちづくりを行うこと、そして学習言語として確立する9〜12歳は日本人としての誇りと自覚を持たせるために精神的なサポートが必要だと訴えた。
海外における学校選択に関しては、現地校やインターナショナルスクール、日本人学校や補習校について、その特徴や通う場合の留意点等を具体的に説明し、家庭の方針に従って慎重に選んでほしいと要望した。
続いて、「帰国にあたって」では、まず一年間に帰国する小学生〜高校生は約1万2000人に上ると述べ、その帰国先を都道府県別、国公私立校別に紹介したほか、受け入れ校それぞれの受け入れ方針の違いや受験資格・選抜方法等に関する留意点について解説した。
さらに、帰国生の特性に関する傾向を紹介し、帰国後に気をつけたいこととして、「学習や進学面を優先しがちだが、生活面のケアを」と訴えた。そしてスムーズに適応するためにも、海外では「現地での活動や学習にしっかり取り組む」「日本語や日本の学習を続ける」「TOEFLやIELTS等のスコアを上げる」ことに注力することが大切だと述べた。
最後に帰国生や海外生に向けて「帰国生は海外での体験をポジティブに考え、帰国生であると胸を張ってください。いま海外にいる皆さんは滞在中にできるだけ多くのことを体験してきてほしいです。積極的にチャレンジしてください」とメッセージを送った。

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