海外子女教育ニュース

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学校会員連絡協議会を東京と大阪で開催(海外子女教育振興財団)(2020年2月号)2020.01.23

海外子女教育振興財団は11月29日に金沢工業大学大学院虎ノ門キャンパス(東京都港区)で、12月12日に毎日インテシオ(大阪市)で、本財団の維持会員である帰国生受け入れ校の関係者を対象に学校会員連絡協議会を開催した。
東京会場では「グローバル時代における帰国子女教育の方向性について考える0帰国生の特性伸長、適応教育、多様性への対応〜」をテーマとして行われ、33の学校等から38人の参加があった。
また、大阪会場では「最近の海外子女、帰国子女の教育相談傾向と今後の帰国児童・生徒の受け入れについて」をテーマに、25の学校等から33人の参加があった。
同会は各校の受け入れ体制をさらに魅力的なものにしていただくための情報交換の場として、毎年、それぞれにテーマを決めて行われている。
〈東京会場〉
はじめに本財団の中村雅治理事長があいさつに立ち、日ごろの支援に感謝するとともに、海外子女の現状や傾向について説明し、今後はトライリンガル・トライカルチャーの時代になるだろうと述べ、帰国生の受け入れ態勢のさらなる充実に期待した。
続いて、奈良教育大学教授(教育社会学・異文化間教育)の渋谷真樹氏が「グローバル時代における帰国子女の方向性」と題した講演を行った。現代社会で求められるコンピテンシーについて「相互作用的に道具を用いる力」+「自律的に活動する力」+「異質な集団で交流する力」と話し、多様な人々と協働する力を持ち得る帰国生の可能性に、文部科学省も「グローバル人材の金の卵」と期待していると述べた。
また、2017年度から本財団が文部科学省から委託された「在外教育施設の高度グローバル人材育成拠点事業(AG5)」の一環でアメリカの補習授業校を対象に行われた調査結果から、海外生の特徴や傾向について、「帰国予定がわからない、もしくは『ない』子どもが過半数」「日本語が第一言語でない子どもが半数近い」「概して補習授業校でも現地校でも友人関係は良好」等と紹介し、日本国内に比べ、自己肯定感が高く、ボランティア精神に富み、将来は日本以外で仕事をしたいと考えている子どもが多いと報告した。
さらに、海外生にはグローバルなコンピテンシーが芽生えていると話し、帰国生受け入れ校のあり方として、「多様性を積極的に受け入れる」「多様性に合理的に配慮する」「多様性を活かす」ことが大切とし、必要な子どもに必要な指導をすることの重要性を説いた。
その後、参加校が四・五人ずつの班に分かれ「多様性の積極的な受け入れ・合理的配慮・活かし方」をテーマに協議が行われた。
それぞれ、多様性に合わせた施設の整備や帰国生が活躍できる機会をつくる具体例のほか、「教員に多様性を受け入れる感覚が必要」、「あえて配慮をしないことで、持ち前のたくましさが育まれることにも期待したい」、「受け入れを、受け入れ校全体で捉え、各校が特色を明確に打ち出すことで、帰国生が自分に合う学校を見つけやすくなったらよい」等の声が聞かれた。
〈大阪会場〉
本財団の職員が日ごろの支援に感謝を述べたのち、リロ・パナソニック エクセルインターナショナル株式会社海外子女教育相談室の糀秀章氏が「パナソニックの海外勤務と海外子女教育相談対応について」と題した講演を行った。
糀氏は、海外勤務時の教育に関して考慮すべき点に、・保護者の明確な教育方針・計画策定 ・海外赴任者の帰国時期の明確化 ・赴任先の教育事情 ・子どもの年齢・適性・適応力・希望・将来の進路(夢)を挙げた。さらに赴任前の相談に関しては、母語と、帰国後を見据えた教育計画の大切さ、そして海外での豊富な現地体験こそが大きな財産になるということを伝えるようにしていると話し、受け入れ校に対し、・滞在国の教育制度のフレキシブルな解釈 ・受験日程をよりフレキシブルに ・入学後の適応状況の個別把握とそのフォロー ・海外での学校説明会や海外入試の実施 を要望した。
次に、本財団関西分室の橋本芳登教育相談員が相談内容の傾向について、海外子女や帰国子女の人数や、地域別の通っている学校種等の現状を含めて発表した。
帰国時の相談で多いものとして、「帰国枠」「海外の教育機関からの学校選択」「適応」「語学力の保持」等を挙げ、受け入れ校に対して、帰国生の学力・生活面への支援や海外で身につけてきた資質や能力の保持伸長、教育課程未修了の場合および編入学の時期や学年への配慮等の柔軟な対応と、保護者への支援と連携の必要性を呼びかけた。
続いて、関西学院千里国際中等部・高等部教頭の田中守氏が「帰国生徒の受け入れ体制の模索」と題した講演を行った。千里国際学園は「帰国生徒と一般生徒、外国人生徒が共に学ぶ新国際学校」として一九九一年に開校。以来、帰国生の受け入れ専門校として試行錯誤してきたと話し、現在の編入制度や選抜方法に関して説明した。
さらに、多様な生徒に対応するための具体的な取り組みについて紹介したほか、帰国生が持つ「海外での生活経験」のポテンシャルに期待を込めた。
会場からは「フレキシブルな受け入れを進めるには中高大のいっそうの連携が必要。また大学は企業との接点をどのように持つかが課題」等の感想が寄せられた。
 

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