海外子女教育ニュース

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FIGT Japan 設立イベントを開催(2020年2月号)2020.01.23

さる11月23日、東京・大手町の会議室を借りて、FIGT日本支部の設立イベントとしてTCKのキャリアを語り合う会が開かれ、「大人になった帰国子女」を中心に幅広い世代の十数人が集まった。
 FIGT(Families in Global Transition)とは1998年にアメリカで設立された非営利団体で、文化や国を越えて移動する家族をサポートすることを目的に掲げている。昨年の時点で世界十カ国に15の支部があり、日本にも支部が設立されることとなった。
 TCK(Third Culture Kids)とは、FIGTの設立者でもあるRuth van Reken博士らが提唱した概念で、日本の海外・帰国子女も含め「両親の文化圏を離れて学齢期の大半を外国で過ごした子どもたち」を指し、「育った国の文化にさまざまな影響を受け、どの文化も完全に自分のものではない」という特徴があるとされる。
 FIGT日本支部の創設者となったふたりは、いずれも小学校時代にアメリカで現地校に通った経験を持ち、国内の中学校に入って「帰国生」となった30歳代の女性。さらにもうひとり、やはりアメリカで幼少期と高校時代を過ごした同年代の男性が加わって今回のテーマが決まったそうだ。この男性は日本の大学を卒業する前の就職活動で自身と同じような経験を持つ人と出会うことが少なく、TCKとしての長所や弱点を考えることができなかったと語り、今回のイベントで「TCKの職業観や働き方の理想を言語化し、TCKが自分らしさを生かしつつ日本社会で充実感を持って働いていくことを目指したい」と議論のベースを説明した。
 これを受けて、参加者全員を3つのグループに分けて行われたディスカッションでは、まずおのおのが「仕事において満足度が高いとき/低いとき」を思い起こし、1項目ごとに付箋紙に書き出したうえで、話し合いながら大きな紙の上に整理していった。日本の企業文化に見られがちな同調圧力の問題、一方でTCKが望む専門性や合目的性、多言語・多文化環境の居心地のよさなどが語られていた。
 さらにその紙を提示しながら全体にプレゼン。あるグループからは「ありのままのユニークな自分を気持ちよく表現できる環境で、他者からも認められ評価され、社会に役立っているという実感を持てることが理想」という報告があった。
 第2部ではキャリア選択における海外生活の影響についてそれぞれの体験がシェアされ、そのまま参加者の大多数が閉会後の懇親会になだれ込んでいった。
 なお、次回は2月22日に「日本のサードカルチャーキッズとは?」と題した講演会とパネルディスカッションが予定されている。詳細はFIGT Japanウェブサイト(https://www.figt.org/japan-affiliate)またはメール(japan@figt.org)で問い合わせを。
 

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