海外子女教育ニュース

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第71回グローバル化社会の教育研究会開催(2019年11月号)2019.10.18

9月26日、71回目となる「グローバル化社会の教育研究会」が聖学院中学校・高等学校(東京都北区)で開かれ、茗溪学園中学校高等学校非常勤講師兼留学生センター長の和田利一氏が「茗溪学園における HOTSの実践報告 学校改革のプロセスの中で思考スキルの育成を担う」をテーマに話題を提供した。
将来グローバルに活躍できる人材の育成に向けた実践方策は多くの学校で模索されている。先進校の現場報告をもとに、教育関係者を中心に約20人が意見交換を行った。
茗溪学園中学校高等学校は、40年前に東京教育大学・筑波大学の同窓会「茗渓会」によって設立され、「Study Skills」を合いことばに常に先駆的な教育を行ってきた。OECD等で「コンテンツ型学力(何を知っているか)からコンピテンシー型学力(何ができるか)へ」が提唱され、日本でも「学びの質の転換」に向けた教育改革が叫ばれるなか、その取り組みは着実に実績を挙げている。
今回、和田氏は大学入試改革や国際バカロレア(DP)への接続に向けた「エッセイ(自分の意見・考えを、相手に説得力を持って伝える文章)」の指導について、具体的に紹介した。
同校では中学1年生から6年かけて「HOTS(ホッツ)教育」(思考スキルの伸長・発達のステップに従って、計画的に考える力を伸ばしていく教育)のアイディアを取り入れ、段階的・系統的に思考力を伸ばして論述スキルを獲得させていくトレーニングを行っている。
たとえば中学1年生では「すきなスポーツ」をテーマに段落にまとめる練習がある。課題は「あなたの一番すきなスポーツは何ですか? なぜそのスポーツがすきなのか、その理由を考えて、段落にまとめましょう」。
それに対し、次の手順で進めさせる。
・すきなスポーツを決める。
・すきな理由についてアイディアを書き出す。
・その中から2つの理由を選んで「段落」にまとめる。
ほかにもさまざまなトレーニングがあるが、テーマごとにワークシートが用意され、身近な課題で興味関心を持てるよう工夫されている。
参加者からは「今後の学校教育にはますます『自ら考え、判断し、行動できる力』が求められるだろう。それを育む中高一貫の実践に感激した。帰国生は海外で身につけてきたそれらの力をさらに伸ばしていけるのではないか」といった声が聞かれた。

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