海外子女教育ニュース

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帰国子女教育を考える会第80回研究例会を開催(2019年4月号)2019.03.18

「帰国子女教育を考える会」は2月23日、YMCA学院高等学校(大阪市天王寺区)で、「外国にルーツのある児童生徒の教育課題と多文化共生社会づくりに向けて」をテーマに研究例会を開催し、国際交流グループ「カリーニョ」と、日本語指導を必要とする帰国生や外国籍等の生徒への日本語支援を中心に活動している「NPO法人おおさかこども多文化センター(オコタック)」が発題を行った。
同会はおもに関西圏で帰国生を支援する教育関係者や保護者の会等が一九九〇年に設立した研究団体で、毎回異なるテーマで年間三回の例会を開いている。
まず、滋賀県湖南市立日枝中学校で日本語教室を担当し、「カリーニョ」立ち上げのきっかけをつくった青木義道氏が設立の経緯や昨年行われた一周年記念イベント等について紹介した。続いて同副代表の今井裕太氏が「湖南市民は25五人に一人が外国籍。国籍による心の壁をなくすための活動としてポルトガル語やスペイン語の講座を開催している」と述べ、その活動内容について説明した。同代表の高橋ファビオ氏は「小三のときに来日し、日本語がまったくわからず通訳もいないなか小一の学習から始まり、同級生から疎外感を味わった。中学校ではいじめや差別に遭遇し、将来に希望が持てず荒れた時期もあったが、人権学習で出会った在日韓国人の生きざまに触れて考えが変わった。定時制高校では生徒会長を務め、社会人として成長したころ、恩師の青木氏に誘われ、『カリーニョ』の代表を引き受けることになった」と話し、「日本人と外国人の心の壁をなくしたい!」と力強く語った。
次に、「オコタック」の濱名猛志理事長が「高校教員時代、外国籍等の子どもたちから学校教育の課題を多く突きつけられた」と話し、「ことばの壁が居場所づくりを困難にしている。ロールモデルがないために希望が持てず、自尊感情の低下に陥っている」と指摘した。さらに「オコタック」の設立について「1990年代から日本語指導を必要とする生徒が増えはじめ、2001年度に大阪の府立高校において『中国帰国生徒及び外国人生徒入学者選抜』がスタート。生徒の日本語・教科学習・母語を支援する教育サポーターを派遣するために『大阪府日本語教育支援センター(ピアにほんご)』が創設された。それが、外国にルーツを持つ小中高生および家族を総括的に支援する『オコタック』の設立へとつながっている」と述べ、活動例として高校生の「訪日観光客案内通訳ボランティア」を紹介した。
参会者からの質問も多く寄せられ、充実した研究例会となった。

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