海外子女教育ニュース

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海外子女教育基礎講座を大阪、名古屋、東京で開催(海外子女教育振興財団)(2018年12月号)2018.11.16

海外子女教育振興財団は10月4日に大阪(大阪市・毎日インテシオ)、同11日に名古屋(名古屋市・名古屋国際センター)、同18日に東京(東京都港区・金沢工業大学大学院虎ノ門キャンパス)で、本財団の維持会員企業・団体の海外人事担当者や学校会員の帰国生受け入れ担当者等を対象に「海外子女教育の概要」に関する基礎講座を開催した。
大阪会場では本財団の関西分室長の山岡莊平教育相談員、名古屋会場では東京本部の平彰夫教育相談員、東京会場では教育相談室長の植野美穂教育相談員が演台に立ち、「海外での学校選択、幼児教育、手続き等」と「帰国後の学校選択、教育相談事例」について講話を行った。3会場合わせて69社から80人、34校から43人の参加があった。
ここでは、東京会場の様子を紹介する。
冒頭で中村雅治理事長があいさつに立ち、日ごろの支援に感謝のことばを述べるとともに、海外子女の動向について概要を紹介した。乳幼児から高校段階まで約14万人もの子どもたちが海外で暮らし、義務教育段階では現地校やインターナショナルスクールのみに通うケースが増えていると解説。さらに海外の教育施設の授業料は国や地域、学校種によって異なる点を説明した。
続いて、植野教育相談員が講話を行った。はじめに、海外で学ぶ小中学生はアジア・北米、次いで欧州が多く、日本人学校もしくは補習授業校に通う子どもの割合は全体の約半数であることを紹介した。海外の教育制度に加え、日本人学校や補習授業校、私立在外教育施設のほか、インターナショナルスクール、現地校の特色について説明し、それぞれ例を挙げながら学校を選ぶ際のポイントについて「子どもの資質、性格、能力」「子どもの年齢」「予定の滞在年数」「帰国後の進学条件」「現地の教育事情」等を挙げ、最後は「家庭の教育方針」が大切になると述べた。
外国語の習得に関しては、第2言語を習得するためには年齢相応の母語が身についていることが重要であると解説し、「帰国後の学習に適応するためにも日本人学校や補習授業校、通信教育の果たす役割は大きい。家庭では読書や日記を習慣化し、日本にいる友達等との交流も大切にしてほしい」と要望した。
続いて、母語の成長過程や海外の幼児教育施設について説明し、「母語形成を左右する時期の幼稚園の選択は慎重に行うべきで、特に日本語以外で教育を行う施設を選んだ場合は、家庭での本の読み聞かせや正しい日本語の使用を心がけてほしい」と、子どもが幼いうちは手をかけないでも大丈夫という安易な考えに対して注意を促した。
さらに、出国前に行うべき手続きについて学校、医療、生活関係を含めて案内したほか、障がいのある子どもを帯同する場合の相談窓口にも触れた。
休憩を挟み、講話は帰国後に関する内容に及んだ。まず、一年間に帰国する児童生徒数は1万2000人を超え、帰国先で多いのは東京、神奈川、愛知の順であると紹介した。
小・中・高の各受け入れ状況や傾向に関して説明したほか、ミスマッチを避けるための学校選びのポイントとして「学校の教育方針や教育課程や体制が家庭の方針や子どもの性格・希望等に合うか」「通学時間・経費」等を挙げた。
また、受験資格を得るためには帰国のタイミングが重要だと述べたほか、現地でしておくとよいことや、英検等、帰国後の受験の際に生かせる海外で取得可能な資格等についても説明した。
最後に教育相談の事例を数件紹介し、企業の人事異動や受け入れ校の受け入れ体制に関して、赴任者やその家族が安心して生活を送り、帰国後に海外で得たものを十分に発揮できるような配慮や柔軟な対応を要望した。
引き続き行われた質疑応答では「高校受験の資格を得るための帰国時期」や「帰国後の入学・編入学試験に生かせる英検等のレベル」にかかわる質問が挙がった。
終了後、企業の人事担当者からは「赴任や帰国の時期が子どもの人生に大きな影響を与えることを知り、社員のことだけを考えるのではいけないとあらためて感じた。家族のことを含め、帰国後のケアも大切にしていきたい」等の感想が寄せられ、帰国生受け入れ校の先生からは「海外の学校の様子が画像含めて紹介され、イメージを持てた。教育システムの違いが帰国後の適応に大きくかかわってくることや、外国語学習に母語の力が欠かせないことがあらためて理解できた」等の声が聞かれた。

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