国内学校関係者の方

学校会員連絡協議会

2018年度 学校会員連絡協議会(東京・2018/11/15開催)2019.01.04

海外子女教育振興財団は11月15日、金沢工業大学大学院虎ノ門キャンパス(東京都港区)において、本財団の維持会員である帰国生受け入れ校の関係者を対象に「グローバル時代を切り開く能力の育成について〜今後求められる学校を考える〜」をテーマに協議会を開催した。同会は各校の受け入れ体制をさらに魅力的なものにしていただくための情報交換の場として毎年、テーマを決めて行われている。46の学校や大学、企業から56人の参加があった。

はじめに本財団の中村雅治理事長があいさつに立ち、日ごろの支援に感謝するとともに、「帰国子女」となる海外子女に関して、乳幼児の増加や、インターナショナルスクールや現地校のみに通う子どもたちが増えている現状を紹介した。

続いて、東京大学大学院教育学研究科比較教育社会学コース准教授の額賀美紗子氏が「グローバル時代の能力観と能力形成――海外帰国子女教育の視点から」と題した講演を行った。自身が長年かけて行ってきた追跡調査等をもとに、グローバル時代に求められる能力について説明し、帰国生の能力伸長のためには「国の境界を越えて多様な文化的価値観が混在する教育空間の創出」が必要で、「日本社会にあるマイノリティーに目を向けさせる」ことも大切だと述べた。

その後、三菱商事株式会社海外教育相談室長の友部政勝氏、文部科学省外国人児童生徒等教育支援プロジェクトオフィサーの近田由紀子氏、フレンズ帰国生母の会代表の永根真紀氏が加わり、パネルディスカッションが行われた。

帰国生受け入れ校に対して「授業実践や受験等の情報の発信や収集を」「編入の受け入れを柔軟に」等の要望が出されたほか、友部氏は多くの海外駐在員を持つ企業の立場から「『違う』ことの素晴しさを意識できる多様性を尊重できる教育が必要」、多くの帰国子女や外国人の子どもの教育に接してきた近田氏は「『かけがえのない自分』を感じさせ、保護者や地域の人たちとも積極的に繋がる姿勢が大切」、永根氏は海外子女・帰国子女の親の立場から「子どもが持つ『乗り切る』『切り拓く』力を引き出す教育が望まれる」と述べた。

会場からは「グローバル人材」や「グローバルリーダー」の概念に関する意見等も聞かれ、挙手の耐えない協議会となった。


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