参加者の声

子ども・保護者
杉山 稲穂さん
カンボジア在住
インターナショナルスクール小6
(肩書、所属校、学年は2023年3月当時)

稲穂さん

母から「こんなイベントがあるよ」と教えてもらって知りました。カンボジアには日本人も少ないし、海外に住んでいる日本人の子どもたちと友達になれたらいいなと思って参加しました。
私は山中先生に質問することになっていたので、基調講演にはライブで参加しました。当日は、通っているインターナショナルスクールを午前中だけ休みました。インターの先生に事情を話したら、「一生に一度の経験になるから、ぜひ参加しなさい」と励まされました。友達には、「すごい人に直接質問できることになっちゃった」と言いました。
山中先生に質問したのは、「夢の見つけ方」です。よく「将来の夢は」と聞かれるのですが、その時に「特にない」と答えると、「そうなの?」と意外そうな反応をされることが多いのです。子どもが夢を持っていないことがそんなに珍しいのかな、私がおかしいのかな、夢はちゃんと持っていないといけないのかな、と、疑問に思っていました。
私の質問に対して、先生は「夢は無理に探すものではないし、今はまだ見つけなくてもいい、焦る必要はないよ。小さな目標に向けて努力することを積み重ねたらよいのでは」とアドバイスしてくださいました。「そうか、よかった」と安心しました。励ましていただいてとても嬉しかったです。
母とは一緒に視聴したのですが、父と妹には夕食のときに話しました。妹はまだ8歳で参加できなかったので、ちょっとうらやましそうでした。
グループワークは、申し込みのときに「英語と日本語どちらでも」と書いたら、日本語チームになりました。はじめて会う人ばかり、全員中学生で、小学生は私一人だったので最初はちょっと緊張しました。少しずつ話していくうちに、自分とは違う視点を持っていたり、同じ考えを持っているのにその理由が違っていたりすることがわかってきて、いろんな人がいるなあと思いました。
グループのなかに、産婦人科医になるのが夢だという中学生がいました。お母さんが妹を出産するときにサポートしてくれた産婦人科医や助産師の姿を見て、そう思ったそうです。実は私の母は産婦人科医なのですが、忙しいし、緊急に呼び出されることも多くて、本当に大変そうです。いつもそれを見ているので私には無理な仕事だと思っていたのですが、彼女の話を聞いているうちに、医師は命を助ける仕事でやっぱりかっこいい、医師を目指すのもいいかもしれないとも考えるようになりました。将来の夢については、山中先生の言葉を思い出しながら、これからゆっくり考えて行きたいと思っています。

母 彩子さん

色々な人に触発されて視点が広がればと思って参加を勧めました。ひとりで本を読むのが好きなマイペースな子なので、グループワークは途中でやめるかもしれない、それならそれでいいかなと思っていましたが、予想以上に積極的に参加していました。ワークシートの課題も、「やらなきゃ」と楽しんで取り組んでいたようでした。できれば、事前に「毎月第何土曜日」のように決まっていると、スケジュールが立てやすいのではないでしょうか。
基調講演は子どもと一緒に視聴しました。山中先生のお話は、子どもにわかるように工夫されていて、私も勉強になりました。「何でもやってみるといずれつながっていく、興味あるものにのめり込みなさい」というアドバイスは、まさにその通りだと思いました。
子どもには、何かと出会えて、それに打ち込める人生を送ってほしいと願っています。ひと昔前はエリートと言われた職業がそうでなくなってきている例もたくさんあります。身近な親の仕事だから目指すというのではなく、今まで存在しなかった、まったく新しい職業をつくるような人になってほしい。レールの上に乗った人生は面白くないし、時代は大きく変わっているのですから。
子どもが得られる情報には限りがあるので、それを提供して、選択肢を与えるのが親の役割ですよね。なるべく「こうしなさい」と言わないようにして、ただ提供して、その中から本人がピンときたものを見つけられるように。すごく優秀である必要はないし、いい学校に行ってほしいとは思いません。ただ、自分が何かを選びたいと思ったときにそれが可能になるような最低限の基礎学力、義務教育の平均くらいの学力を身につけておいてくれたらと思っています。