研修・セミナー 過去の開催
2015年度 海外子女教育基礎講座を東京、名古屋、大阪 開催内容2017.01.27
海外子女教育振興財団は10月6日に名古屋(名古屋市・名古屋国際センター)、同15日に大阪(大阪市・毎日インテシオ)、同22日に東京(東京都港区・真福寺)で、同財団の維持会員企業・団体の海外人事担当者を対象とした「海外子女教育の概要」に関する基礎講座を開催。3会場合わせて97社から112人の参加があった。
3会場共に冒頭で海外子女教育振興財団会員・広報チームの荒井英夫チームリーダーがあいさつに立ち、日ごろの支援に感謝のことばを述べた。
続いて、名古屋会場では同財団の植野美穂教育相談員、大阪会場では山岡荘平教育相談員、東京会場では佐々信行教育相談員が講話を行い、「海外での学校選択、幼児教育、手続き等」と「帰国後の学校選択、教育相談事例」について解説した。以下、東京会場の様子を報告する。
はじめに、海外で学ぶ小中学生は75,000人を超え、地域別ではアジアがいちばん多く、次いで北米、欧州、大洋州、中南米、中東、アフリカの順となり、学校種別では日本人学校もしくは補習授業校に通う子どもの割合は約52パーセント、現地校またはインターナショナルスクールのみに通う子どもは約48パーセントとなっていると紹介した。
次に、海外で通う学校にはどのような選択肢があるのか、どんな観点で決めればよいのか等について、アメリカやイギリスの教育制度のほか、私立在外教育施設を含めた日本人学校や補習授業校、インターナショナルスクール、現地校のそれぞれの特色に触れながら説明。さらに海外の学校に通う場合の準備や留意点について示したほか、「第二言語を習得するためには年齢相応の母語をしっかりと身につけることが大切であり、帰国後の学習に適応するためにも補習授業校や通信教育の果たす役割は大きい」と述べた。
幼児教育に関しては母語の成長過程や海外の幼児教育施設について説明するとともに、母語形成を左右する時期の幼稚園の選択は慎重に行うべきであり、日本語以外で教育を行う園を選んだ場合は特に、家庭では本の読み聞かせをする等、正しい日本語を使うことを心がけてほしいと注意を促した。
加えて出国前にすべき手続きについて学校関係を中心に案内。特に渡航後すぐに使用する日本の教科書は日本で受領してから行かなければならない点を喚起した。 休憩を挟み、講話は帰国後の話に及んだ。まず、一年間で帰国する児童生徒数は約11,000人、帰国先で多いのは東京、神奈川、愛知の順であると述べた。小中高の段階別に受け入れ状況や選考方法について説明し、帰国生受け入れ枠での受験を希望する場合は帰国のタイミングが重要になってくると指摘したほか、海外の主要な受験資格等についても解説した。
最後に教育相談の事例を数件紹介。帰国後、子どもに対して気をつけたいこととして「学習面だけでなく生活面にも配慮する」「学校との連絡を密にする」「子どもの精神的なシグナルを見逃さない」等を挙げ、帰国後は誰もが適応には苦労するものなので、長い目をもって見守る姿勢が大切だと語った。
さらに、「赴任者にとって家族の安心は勤務意欲の向上につながる。子どもの教育は大きな問題なので、赴任や帰任の時期には配慮してあげてほしい」と述べ、的確な情報や助言を得るためにも、本財団の教育相談の積極的な活用を勧めた。
引き続き行われた質疑応答では「高校段階の子どもを帯同する場合はどんな学校選択が考えられるのか、年間の負担額はどのくらいか」「アジアの英語圏に赴任する場合、現地校を選択するケースは多いのか」「日本人学校が設立される基準は何か」「未就学児の教育に関する企業の費用負担はどのような傾向にあるのか」「特別支援が必要な子どもに関しては、海外ではどのような対応がされているのか、日本人学校ではどうなのか」などの質問が挙がった。
参加した人事担当者からは「基本的なことから学べていろいろな疑問が解決した」「他企業の赴任者への支援態勢について知る機会があるのはありがたい。赴任者によい仕事をしてもらうためにも、どのような支援が必要なのかをよく検討したい」「赴任者への支援は帰国後までを考えて行ってほしいというアドバイスが胸に響いた」「財政的な課題はあるが赴任者に『家族で海外に行ってよかった』と言ってもらえるような支援を心がけたい」等の感想が聞かれた。
3会場共に冒頭で海外子女教育振興財団会員・広報チームの荒井英夫チームリーダーがあいさつに立ち、日ごろの支援に感謝のことばを述べた。
続いて、名古屋会場では同財団の植野美穂教育相談員、大阪会場では山岡荘平教育相談員、東京会場では佐々信行教育相談員が講話を行い、「海外での学校選択、幼児教育、手続き等」と「帰国後の学校選択、教育相談事例」について解説した。以下、東京会場の様子を報告する。
はじめに、海外で学ぶ小中学生は75,000人を超え、地域別ではアジアがいちばん多く、次いで北米、欧州、大洋州、中南米、中東、アフリカの順となり、学校種別では日本人学校もしくは補習授業校に通う子どもの割合は約52パーセント、現地校またはインターナショナルスクールのみに通う子どもは約48パーセントとなっていると紹介した。
次に、海外で通う学校にはどのような選択肢があるのか、どんな観点で決めればよいのか等について、アメリカやイギリスの教育制度のほか、私立在外教育施設を含めた日本人学校や補習授業校、インターナショナルスクール、現地校のそれぞれの特色に触れながら説明。さらに海外の学校に通う場合の準備や留意点について示したほか、「第二言語を習得するためには年齢相応の母語をしっかりと身につけることが大切であり、帰国後の学習に適応するためにも補習授業校や通信教育の果たす役割は大きい」と述べた。
幼児教育に関しては母語の成長過程や海外の幼児教育施設について説明するとともに、母語形成を左右する時期の幼稚園の選択は慎重に行うべきであり、日本語以外で教育を行う園を選んだ場合は特に、家庭では本の読み聞かせをする等、正しい日本語を使うことを心がけてほしいと注意を促した。
加えて出国前にすべき手続きについて学校関係を中心に案内。特に渡航後すぐに使用する日本の教科書は日本で受領してから行かなければならない点を喚起した。 休憩を挟み、講話は帰国後の話に及んだ。まず、一年間で帰国する児童生徒数は約11,000人、帰国先で多いのは東京、神奈川、愛知の順であると述べた。小中高の段階別に受け入れ状況や選考方法について説明し、帰国生受け入れ枠での受験を希望する場合は帰国のタイミングが重要になってくると指摘したほか、海外の主要な受験資格等についても解説した。
最後に教育相談の事例を数件紹介。帰国後、子どもに対して気をつけたいこととして「学習面だけでなく生活面にも配慮する」「学校との連絡を密にする」「子どもの精神的なシグナルを見逃さない」等を挙げ、帰国後は誰もが適応には苦労するものなので、長い目をもって見守る姿勢が大切だと語った。
さらに、「赴任者にとって家族の安心は勤務意欲の向上につながる。子どもの教育は大きな問題なので、赴任や帰任の時期には配慮してあげてほしい」と述べ、的確な情報や助言を得るためにも、本財団の教育相談の積極的な活用を勧めた。
引き続き行われた質疑応答では「高校段階の子どもを帯同する場合はどんな学校選択が考えられるのか、年間の負担額はどのくらいか」「アジアの英語圏に赴任する場合、現地校を選択するケースは多いのか」「日本人学校が設立される基準は何か」「未就学児の教育に関する企業の費用負担はどのような傾向にあるのか」「特別支援が必要な子どもに関しては、海外ではどのような対応がされているのか、日本人学校ではどうなのか」などの質問が挙がった。
参加した人事担当者からは「基本的なことから学べていろいろな疑問が解決した」「他企業の赴任者への支援態勢について知る機会があるのはありがたい。赴任者によい仕事をしてもらうためにも、どのような支援が必要なのかをよく検討したい」「赴任者への支援は帰国後までを考えて行ってほしいというアドバイスが胸に響いた」「財政的な課題はあるが赴任者に『家族で海外に行ってよかった』と言ってもらえるような支援を心がけたい」等の感想が聞かれた。