海外学校関係者の方

在外教育施設事務長会議 2015年度開催内容 分科会B-中国地区<8月7日(金) 8:40-10:10>

地区および現地政府特有の課題について

◆スクールバスに関する状況報告
◆専家証の延長
◆学校採用教員の個人所得税・税務登記

 ●スクールバスに関する状況報告
  • 1月23日、公安局、教育委員会、安全管理局などが学校を訪問し、市が定める「校車安全管理規定」に違反する通学バスの使用は認められないと指導が入った。このため、従来、保護者が各自でチャーターしていた通学バスが26日から使用禁止となり、全児童生徒が個人通学に切り替える事態になった。学校では、この事態を全保護者、在外公館および商工クラブに即刻連絡すると共に、24日と26日には緊急保護者説明会を開いた。同時にマスコミへのリリース案の作成と取材対応を行うと共に、使用禁止となる26日は臨時休校とし、混乱を避けるべく対応を行った。27日からは商工クラブ加盟企業を中心として、社用車を児童生徒の通学用として提供して下さる企業が多数見られ、通学面での安全確保に非常に役立った。その後、校車専門会社と正式に契約し、2015年4月からの校車導入が決定、校車登録がされ、校車マークをつけるなどの条件が徹底された電動バス約70台を導入した。校車利用者は7月14日時点で2校合計1,714名、乗車率86.3%、残りの児童生徒は原則として保護者による送迎で通学している。当初は保護者からの問合せが学校だけでなく在外公館にも寄せられ、冷静且つ早急な対応が求められたが、運行開始以降は保護者も運行に理解を示している。今後の課題は、事故や故障が発生した場合の対応であることから、保険などについては、今後も十分に配慮したい。もうひとつ、正式には発表していないが、今回の件によって、従来、使用していた悪質バス会社や不良運転手を排除することができたということも事実である。
  • この件を踏まえ、校車化の場合は早急に運営準備委員会(開始後は通学安全委員会)を設定し、バス会社を検討しなければならない。日本人学校によっては、学校がバス会社と契約し運営は保護者会に任せる学校、または契約も運営も保護者会(またはPTA)に任せると様々だが、バス会社との交渉などには学校が関与する必要がある。
  • バス会社によっては、悪質な運転手(偽免許、学校内でバスを洗車、ゴミのポイ捨て、運転手同士の喧嘩など)もいるので、公安に指摘される前に安全なバス会社と早めに契約をし、管理・安全については学校も関与していく必要がある。

 専家証の延長
  • 学校採用教員は任期が5年と中国では決まっているが、教育局に相談したところ、専門家である証明ができれば延長可とされ、2名が3年延長になった。
  • 教員として専家証を登録している場合は、1年後に更新だが、5年が限度というのはローカルルール。
  • 年齢制限(65歳)があるが、更新回数については制限なし。
  • 各校で調べて、情報交換する必要がある。

学校採用教員の個人所得税・税務登記

  • 学校採用教員から個人所得税支払いの要望があり、現時点で、いる人のみ5年遡って払い、今後についても学校採用教員に支払うことになった。税務登記した際に、その点について不鮮明・明確化されていなかったため、今回のようなことが起きた。
  • 現時点、学校採用教員について個人所得税は支払っていない。当局からの通知も来ない。
  • 去年8月に、資格を取ると同時に税務登記をすることになったことを運営委員会に通さなかったため、トラブルになった。支払う前の免税申請指示が出たが、それもやっていなかったため、税務局から指摘があった
  • 営業税は免税をとり、企業所得税の免税を依頼している。今後もう一度個人所得税の免税をかけたい。
  • 以前、中国の学校と同等の卒業証書を出せる学校という見解のうえで個人所得税以外は、免税だった。州⇒省によって、免税などルールや学校への見解が異なる。
  • 個人所得税、営業税、企業所得税は払っているが、寄附金については免税の措置を受けている。
  • 物価局がそこの日本人学校の授業料が適正かどうかをみる。学校自体が授業料が適正かどうか認識・確認しておく必要がある。
  • 現地のインター校の授業料をリスト化し、日本人学校は教育機関としての立場・業務を全うできるように適切に設定している旨を説明し理解を得た。それが上手くいったのは、双方の関係が良好だからでもある。
  • 韓国のインターナショナルスクールの営業税、企業所得税は赤字にし、政府補助金を使用しているようだ。
  • 中国の法律は現地の企業・学校のみに対応しており、海外からの学校についての法律が整理されていないのが現状。
  • 中国の経済成長が下がってきているので、余計に取られることがあるかもしれないので、充分に気をつけなければならない。

以上