海外子女教育ニュース

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海外子女教育振興財団の2018(平成30)年度事業計画と予算が決定(2018年5月号)2018.04.17

─2017年度第2回理事会

公益財団法人海外子女教育振興財団は3月28日、経団連会館(東京都千代田区)において2017年度第2回理事会を開催し、18年度の事業計画および収支予算書が承認された。

はじめに石原邦夫会長があいさつに立ち、日ごろからの尽力に感謝するとともに、近況と今後の展望について次のように述べた。
◇本財団は職員一同、公益目的事業の役割、責任を意識しながら日々活動している。
◇会費収入に関して、2017年度は目標額を超える見通しとなり、海外子女教育の振興事業を滞りなく遂行できた。18年度については、17年度とほぼ同水準の4億6600万円を目標とし、運営方法やコストの見直 し等、自助努力を続けていく。
◇今年2月、韓国・平昌で行われた冬季オリンピックにおいて日本は過去最多のメダルを獲得した。そのほか陸上100メートルで日本人初の九秒台の日本新記録が樹立されたり、東京マラソンの男子の部で16年ぶりに日本新記録が更新されたりと、なにかとスポーツが話題となった一年だった。これは、選手やコーチ等が積極的に海外へ進出し、技術の取得や大会での経験を積むなど、質の高い育成が生んだ成果とも考えられる。また相撲や柔道、剣道といった日本の武術も国際化が進み世界規模の大会が開催されているように、スポーツ界でも「グローバル化」はとどまることがない。
◇教育面においても、現在8万人を超える海外子女がグローバルな視点を培うために最もふさわしい場所で日々勉学に励んでいる。海外からグローバルな視点や価値観で日本を考えることは、将来の日本を担うグローバル人材として育つためにはとても重要である。
◇その視野をさらに広げ、子どもたちが充実した生活、学習を行えるよう、在外教育施設におけるグローバル人材を育成するための文部科学省の委託事業(AG5プロジェクト)をはじめとする新たな取り組みを進める。
◇17年度大きな成果を上げることができた安全対策についても引き続き努力する。
◇本財団の使命を果たせるよう、維持会員各位のご協力を得ながら、役職員一同さらに奮励努力を重ねていく。なおいっそうのご指導ご鞭撻をお願いしたい。

引き続いて議案の審議に入り、中村雅治理事長が18年度の事業計画等について説明に立った。
18年度の事業計画および予算等は次のとおり。

(1)2018年度事業計画
■公益目的事業1
海外・帰国子女に対する教育、海外勤務者およびその家族に対する研修、その他の支援
(1)通信教育(文部科学省補助事業)
帰国後の円滑な学習適応を目的として、義務教育年齢の海外子女を対象にした通信教育「小・中学生コース」をブック教材とインターネット教材で実施する(日本人学校・補習授業校に在籍していない受講生に要する経費に関しては文部科学省より補助がある)。また、幼児を対象に「幼児コース」として絵本の配本サービスを実施する(補助対象外)。
(2)外国語保持教室
帰国子女が身につけた語学力を保持するために、関東・中部・関西地区およびWEBサテライトコースで、英語およびフランス語(関東地区のみ)のレギュラーコースを運営するほか、夏期に東京・横浜・名古屋・大阪においてサマースクール、英語クラスではオーストラリアでスタディーツアーを実施。さらに受講生の保護者を対象に講演会や相談会を開催する。
(3)講習会
海外赴任者やその帯同家族(配偶者および子女)を対象に、出国前の不安を解消し、海外での生活を充実したものとするための「現地校入学のための親子教室」、「渡航前配偶者講座(WEBコース含む)」、「赴任前子女教育セミナー」および「渡航前子ども英語教室」を開講する。
(4)教科書配付(文部科学省依頼事業)
保護者の海外赴任に伴って出国する義務教育年齢の子女に対して日本の教科書を配付(送付含)する。また、海外から在外公館経由での追加配付申請があった場合も送付する。


■公益目的事業2
海外の日本人学校・補習授業校等に対する運営上および教育上の支援
(5)教材整備(文部科学省補助事業)
政府援助対象の日本人学校・補習授業校・私立在外教育施設に対して、日本国内の小・中学校の整備基準に準じて、国庫補助金により教材・教具等を手配し送付する。
(6)教材斡旋
学校独自予算より購入を希望するワーク・ドリル類、学校備品、補助教材等を手配し送付する。
(7)保険の斡旋
政府派遣教員とその帯同家族を対象として文部科学省の依頼により創設した「医療補償制度」のほか、在外教育施設向けの海外学校傷害保険、海外学校賠償責任保険、海外学校ボランティアサポート保険について、本財団が契約者となり加入の取りまとめ等を行う。
(8)安全対策援助等
日本人学校・補習授業校を対象に、在籍児童生徒の安全確保を目的とした資金援助を実施する。在外教育施設で発生した想定外の緊急事態により、当面の授業に支障を来す場合には緊急の資金援助を行う。
(9)運営支援
日本人学校・補習授業校の学校運営に関して、教職員の採用支援、教育活動等への資金援助を行う。また、国内の団体が在外教育施設に対して実施している教材、図書等の寄贈やコンクール・コンテスト等の広報に関して支援を行う。
(10)寄附金の募集
在外教育施設等からの要請に基づき、校舎建設等の資金調達のための寄附金(特定公益増進法人に対する寄附金等)の募集を行う。
(11)コンクール
海外での日本語の学習を促すために、海外子女を対象とした文芸作品コンクールを開催する。作文・詩・短歌・俳句の各部門において、優秀者には文部科学大臣賞、各協賛団体賞、海外子女教育振興財団会長賞をはじめとする各賞を、優れた作品が多数認められた学校には学校賞を授与する。


■公益目的事業3
海外・帰国子女教育に係る教育相談・情報提供・広報・啓発および調査・研究
(12)教育相談
在外教育施設や帰国子女受入校での教育経験を持つ専門の教育相談員が、出国前から帰国後までの教育事情や学校選択、特別な配慮を要する子女のこと等、教育に関する相談対応を面談・Eメール(WEB)・電話等により実施。また企業や学校等の要請に応じて、国内外で講演会や相談会などを行う。
(13)情報サービス
海外赴任者やその家族、海外進出企業・団体等に対して必要なアドバイスや情報提供を行う。
(14)企業・団体会員等への支援
企業・団体が実施する海外赴任者研修等に教育相談員等を講師として派遣し、講演および教育相談を行うほか、企業・団体の海外駐在員派遣業務担当者を対象とした海外・帰国子女教育に関するセミナーを開催。さらに在外教育施設の基本情報および学費等の調査を行い、結果を「専用サイト」で提供または資料を配付するほか、必要なアドバイスや情報を提供する。
(15)帰国子女教育支援
海外子女が帰国するにあたり、希望する学校の受入条件や状況が把握できる機会を設けることを目的に、帰国子女受入校による学校説明会・相談会を国内外で開催するほか、教育相談員による海外巡回相談を実施。また、帰国子女受入校の資料を在外教育施設へ送付する。さらに、帰国子女の受入校や帰国子女教育に積極的にかかわる機関に対して支援を行うとともに学校会員連絡協議会を開催し、帰国子女教育の振興をはかる。
(16)調査・研究等
海外・帰国子女教育に関する調査・分析や図書・資料等の収集を行い、必要に応じて海外の現地校等の実態を調査する。また、海外・帰国子女教育振興のための提言を行うとともに、外部有識者と共働でグローバル人材育成を目的とした在外教育施設におけるプログラム研究・開発等を実施する。
(17)刊行物・資料等配付
各刊行物等を発行・頒布する。

(2)2018年度収支予算
経常収益…11億8956万7千円
経常費用…11億9337万7千円
上記承認されたほか、「資金調達および設備投資の見込みを記載した書類」に関する議案が審議され、すべて異議なく承認された。

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