海外子女教育ニュース

海外子女教育ニュース

海外子女教育基礎講座を東京、名古屋、大阪で開催(海外子女教育振興財団)(2017年12月号)2017.11.20

海外子女教育振興財団は10月5日に大阪(大阪市・毎日インテシオ)、同12日に名古屋(名古屋市・名古屋国際センター)、同19日に東京(東京都港区・真福寺)で、本財団の維持会員企業・団体の海外人事担当者や学校会員の帰国生受け入れ担当者等を対象に「海外子女教育の概要」に関する基礎講座を開催。3会場合わせて92社・29校から144人の参加があった。
冒頭で、大阪会場では海外子女教育振興財団の小倉直也関西分室副室長、名古屋会場では本財団の会員・広報チームの藤井達夫チームリーダー、東京会場では本財団の中村雅治理事長があいさつに立ち、日ごろの支援に対する感謝のことば等を述べた。
中村理事長は、企業のグローバル化を背景に海外子女数は8万2000人を上回る勢いで伸びていると説明し、その一方で日本人学校に通う子どもの数は減少傾向にあり、現地校やインターナショナルスクールのみに通うケースが増えていると指摘した。また、新学習指導要領では「生きる力を自ら育む子どもの育成が求められている」と話し、2020年度から本格的に始まる大学入試改革に向けて教育現場は転換期にあり、「情報の更新が欠かせない」と述べた。
続いて、大阪会場では本財団の菅原光章教育相談員、名古屋会場では熊谷勝仁教育相談員、東京会場では平田博嗣教育相談員と中山順一教育相談員が演台に立ち、「海外での学校選択、幼児教育、手続き等」と「帰国後の学校選択、教育相談事例」について講話した。
いずれもまず、海外で学ぶ小中学生は、アジア・北米が多く、日本人学校もしくは補習授業校に通う子どもの割合は約半数と紹介した。
次に、海外で通う学校の選択肢や決める際の観点等について、アメリカやイギリス、オーストラリアの教育制度に加え、私立在外教育施設を含めた日本人学校や補習授業校、インターナショナルスクール、現地校の特色に触れながら説明し、それぞれの通学に関わる留意点を示した。
英語の習得については、「第2言語を習得するためには年齢相応の母語が身についていることが重要であり、帰国後の学習に適応するためにも日本人学校や補習授業校、通信教育の果たす役割は大きい。読書や日記は習慣化してほしい」と述べた。
幼児教育に関しては母語の成長過程や海外の幼児教育施設について説明するとともに、母語形成を左右する時期の幼稚園の選択は慎重に行うべきで、「特に日本語以外で教育を行う園を選んだ場合は、家庭での本の読み聞かせや正しい日本語の使用を心がけてほしい」と注意を促した。
さらに、出国前に行うべき手続きについて学校、医療、生活関係を含めて案内したほか、障がいのある子どもを帯同する場合の相談窓口にも触れた。
休憩を挟み、講話は帰国後に関する話に及んだ。まず、1年間で帰国する児童生徒数は約1万2500人で、帰国先で多いのは東京、神奈川、愛知の順であると紹介したほか、小・中・高の各受け入れ状況やミスマッチを避ける学校選びのポイントについて説明。受験資格を得るためには帰国のタイミングが重要だと述べ、企業側に帰国時期の早めの内示を求めたほか、受験の際に生かせる海外で取得可能な資格等についても解説した。
最後に教育相談の事例を数件ずつ紹介し、問題の事前解決や不安解消のためにも、本財団の教育相談の積極的な活用を勧めた。
引き続き行われた質疑応答では「補習授業校に通わせる費用はどの程度なのか」「日本人学校では英検の指導に力を入れているのか」「赴任者に帰国の時期を伝えるのはいつのタイミングがよいのか」などの質問が挙がった。
終了後、企業の人事担当者からは「母語の大切さを含め、基本的なことから学べてたいへん参考になった」「社員の赴任や帰国の時期について、帯同する子どもの状況も視野に入れないといけないんだと胸に響いた」等の感想が寄せられた。帰国生受け入れ校の教員からは「日本の教育は大きく変わりつつある。受け入れにはできるだけ、おおらかに対応したいところだが、国の決まりもあるので……難しい」等の声が聞かれた。

一覧に戻る