海外子女教育ニュース

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第60回グローバル化社会の教育研究会開催(2017年12月号)2017.11.20

10月6日、60回目となる「グローバル化社会の教育研究会」が聖学院中学高等学校(東京都北区)で開かれ、「神奈川県立高校の『外国につながる生徒の特別募集』─帰国子女・国際理解教育の現状報告を兼ねて」をテーマに神奈川県立弥栄高等学校長の坂本万里氏が話題提供を行い、来場者が意見を交換し合った。
坂本氏は大学卒業後に神奈川県立高等学校の教員となり、同県の教育委員会の指導主事、教頭や副校長、校長等を歴任しているほか、さまざまな教育研究協議会の会長や役員等を務めた経験がある。
まず、神奈川県の帰国生徒と外国人生徒の受け入れ状況について、県内の公立高校の帰国生募集定員は8校90名(横浜市立の1校含む)で、2017年度の在籍者総数は全学年で約200名であると紹介した。現在、数十名分の枠が残っているため、神奈川県に帰国する予定がある場合は県の教育委員会の転編入相談センターに照会すれば受け入れ先はある (転編入の時期は年4回、高3の秋まで可)と話した。編入学後の対応としては、おもに「個別対応授業」「英語の伸長教育」「日本語授業」「個別カウンセリング」「授業プリントや保護者向け文書等へのルビふり」が行われていると説明した。
また、神奈川県は外国人居住者数が全人口の2パーセントに達し、公立高校では12校(来年度は 13校)が外国籍の生徒の定員を持つと紹介した。帰国生徒や外国人生徒を受け入れている学校では取り出し授業など手厚い対策がとられている一方で、一般生との交流の機会がその分減ることが懸念されていると述べたほか、教育現場での課題として「外国人教員を含めた人材不足」「受け入れに関する情報不足」「募集定員の見直し」等を挙げた。
さらに、帰国生徒と外国人生徒は外国につながっている点で必要なサポートは似ているが、母国に帰ってきた子どもと異国に来た子どもとは「生活」が違うため、人権含め、各人に合った慎重な対応・対策が必要だと注意を促した。
そして今後 ますます加速すると予測される帰国生徒と外国人生徒の増加、グローバルに活躍できる資質の養成のためにはコミュニケーション力を育むだけでなく、「異文化間のズレを調整できる力」が求められていると述べた。
会場からは帰国生徒や外国人生徒を積極的に受け入れている神奈川県に期待する声が多く聞かれた。

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