海外子女教育ニュース

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帰国子女教育を考える会第76回研究例会を開催(帰国子女教育を考える会)(2017年8月号)2017.07.19

「帰国子女教育を考える会」は6月3日、立命館中学校・高等学校(京都府長岡京市)において、「SGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)四年目を迎えて」をテーマに研究例会を開催した。会では兵庫県神戸市立葺合高等学校、大阪府立三国丘高等学校、立命館高等学校の三校が実践報告を行い、約三十人が参加した。
同会は、おもに関西圏で帰国生教育に携わる教育相談員や企業の人事部、帰国生受け入れ校の関係者や保護者の会らが1990年につくったネットワークで、毎回異なるテーマで例会を開いている。
まず葺合高等学校教頭の清家豊氏と同校国際科長の茶本卓子氏が演台に立ち、「神戸から綾なせ世界、共生への道を開くグローバル・リーダーの育成」の実現を目指し、「グローバル・スタディーズ」という学校独自の教科を設定したうえで「課題研究」「国際協働学習」「社会貢献活動」を通して行っている実践について紹介した。グローバル・リーダーの柱となる能力としてMAKS=「M=人間力」「A=実践力」「K=知識力」「S=言語力」を示し、それらに必要なものとして「多角的な視点を持つ多面的で広い視野」から「高いプレゼンテーション能力」までの16の力を提示した。校内に7人のALTを常駐させているほか、フィリピンでのフィールドワークや提携大学の講座等で英語で発信する機会を多く持ち、集大成として「KOBE四大陸高校生サミット」を主催していると紹介した。
次に三国丘高等学校の首席SGH研究主任の田中和代氏が、「持続可能な地域開発に貢献できるグローバル・リーダーの育成」を目標に、「課題研究の授業」であるSGHのコア・カリキュラムとして「国際人としての理念を学ぶ」 「先進国の知見を学ぶ」「発展途上国の理念を学ぶ」「BOPビジネスプランを提言する」という四つの柱を設定していると解説。「課題研究の授業」にはオープン・カリキュラムを設定し、希望すればSGH以外のSSHや文理学科の生徒も参加できるように配慮している点も紹介された。また、1年生で米国の大学と提携した英語の授業、2年生でフィリピンでのフィールドワークや現地大学生との共同生活、3年生ではビジネスプランを作成しての提言発表を行っている等の取り組みについて説明した。
最後に立命館高等学校の竹中宏文副校長が、「貧困の撲滅と災害の防止・対策〜世界平和の実現のために〜」をテーマに、「海外との共同研究」「海外での調査研究活動」を通してグローバル人材の育成を目指していると述べた。具体的な取り組みとして、「提携姉妹高校のあるフィリピンでのフィールドワークの実施」「SSHが主催する海外のトップレベルの理数教育重点校を招いての『スーパー・サイエンス・フェア』を通しての学校全体の国際化」「スーパー・グローバル・フォーラム(昨年度は海外から九つの国や地域の高校が参加)の開催」が紹介されたほか、海外の生徒と合宿しながら英語でコミュニケーションを取り、プレゼン資料を協働で作成して発表するという実践も報告された。
続いて行われた質疑応答では、SGHの評価等について活発な議論があったほか、三校共に帰国生のみならず生徒全般に海外留学や海外での活躍を希望する傾向が強まっている様子が浮き彫りになった。

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