海外子女教育ニュース

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海外子女教育振興財団の2017(平成29)年度事業計画と予算が決定(2017年5月号)2017.04.18

─2016年度第3回理事会


公益財団法人海外子女教育振興財団は3月27日、経団連会館(東京都千代田区)において2016年度第3回理事会を開催し、17年度の事業計画および収支予算書が承認された。

はじめに石原邦夫会長があいさつに立ち、日ごろからの尽力に感謝するとともに、近況と今後の展望について次のように述べた。
◇本財団は職員一同、公益目的事業の役割、責任を意識しながら日々活動している。
◇会費収入に関して、2016年度は目標額を超える見通しとなり、海外子女教育の振興事業を滞りなく遂行できた。17年度については、16年度とほぼ同水準を目標に4億5000万円とし、運営方法やコストの見直し等、自助努力を続けていく。
◇今年1月に米国大統領にドナルド・トランプ氏が就任し、就任演説で・America First・を明言したが、フィリピンのドゥテルテ大統領の就任や英国国民投票におけるEU離脱決定など、世界各地で「自国第一主義」が掲げられた1年だった。
一見、アンチ・グローバル時代の到来かのようにも思われるが、実際には、これまで進んできたグローバル化の波が止まることはなく、各国の自国第一主義をも包含した新たなグローバル化へと変貌を遂げていくだろう。
このような世界情勢の中にあって、日本が持続的成長を遂げるために必要となることは、ますます複雑化した状況を整理したうえで、調和のために取るべき方策を練り、その実現を担い得るような、真のグローバル人材の育成であるといえるだろう。
◇海外子女教育および帰国子女教育の充実は子どもたちのみならず、日本の発展のためにも、より重要性を増してきている。グローバル化する世界のなかで当財団の活動が真価を発揮する場面が到来したといえるものであり、役職員一同さらに奮励努力を重ねていく。
◇当財団のサービス機能が十分に発揮され、その使命を果たすことができるよう、維持会員各位のご協力を得ながらより役に立つ財団を目指していきたい。
引き続いて議案の審議に入り、中村雅治理事長が説明に立った。 17年度の事業計画については、さらに「グローバル人材育成策の強化をはかり、日本人学校・補習授業校ならではのグローバル人材育成のための新しい取り組み等を実践していく。環境の変化に対応し、特に在外教育施設における安全対策援助の強化、学校採用教員雇用支援の充実、各方面への“海外・帰国子女教育の重要性”の広報・啓蒙活動を行うと述べた。
17年度の事業計画および予算等は次の通り。

(1)2017年度事業計画
■公益目的事業1
海外・帰国子女に対する教育、海外勤務者およびその家族に対する研修、その他の支援
(1)通信教育(文部科学省補助事業)
帰国後の学習適応を目的として、義務教育年齢の海外子女を対象にした通信教育「小・中コース」を紙教材とインターネット教材を併用して行う(日本人学校・補習授業校に在籍していない受講生に要する経費に関しては文部科学省より補助あり)。幼児対象の絵本の配本サービスである通信教育「幼児コース」を実施する(補助対象外)。
(2)外国語保持教室
帰国子女が海外生活で身につけた語学力を保持するために、関東地区、中部地区、関西地区およびWEBサテライトコースで、英語およびフランス語(関東地区のみ)のコースを運営する。夏期には東京・横浜・名古屋・大阪においてサマースクールを開講するほか、英語クラスではオーストラリアでスタディツアーを実施するなど、受講機会と内容の拡充をはかる。受講生の保護者を対象に「英語保持」に関する相談会を適宜開催する。
(3)講習会
海外赴任者やその帯同家族を対象に、出国前の不安を解消し、海外での生活を充実したものにするための講習会「現地校入学のための親子教室」、「渡航前配偶者講座」、「赴任前子女教育セミナー」および「渡航前子ども英語教室(WEBコース含む)」を開講する。
(4)教科書配付(文部科学省依頼事業)
保護者の海外赴任に伴い出国する義務教育年齢の子女に対して、日本の教科書を配付・送付するほか、海外から在外公館経由で追加配付申請があった場合も送付する。
■公益目的事業2
海外の日本人学校・補習授業校等に対する運営および教育上の支援
(5)教材整備(文部科学省補助事業)
政府援助対象の日本人学校・補習授業校・私立在外教育施設に対して、日本国内の小・中学校の整備基準に準じて、国庫補助金により教材・教具等を手配し送付する。
(6)教材斡旋
学校独自の予算より購入を希望するワーク・ドリル類、学校備品、補助教材等を手配し送付する。
(7)保険の斡旋
文部科学省の依頼により創設した政府派遣教員とその帯同家族を対象とする「医療補償制度」のほか、在外教育施設向けの海外学校傷害保険、海外学校賠償責任保険、海外学校ボランティアサポート保険について、当財団が契約者となり加入の取りまとめ等を行う。
(8)安全対策援助等
日本人学校・補習授業校を対象に児童生徒の安全確保を目的とした資金援助を実施。在外教育施設で発生した想定外の緊急事態により当面の授業実施に支障を来す場合には緊急の資金援助を行う。
(9)運営支援
日本人学校・補習授業校を対象に教職員の採用支援、教育活動等への資金援助を行う。国内の団体が在外教育施設に対して行う教材、図書等の寄贈やコンクール・コンテスト等の広報に関して支援する。
(10)寄附金の募集
おもに在外教育施設からの要請に基づき、校舎建設等の資金調達のための寄附金(特定公益増進法人に対する寄附金等)を募集する。
(11)コンクール
海外での日本語の学習を促すために海外子女を対象に文芸作品コンクールを開催。作文・詩・短歌・俳句について、各優秀者には文部科学大臣賞、各協賛団体賞、海外子女教育振興財団会長賞等の各賞を、優れた作品が多数認められた学校には学校賞を授与する。
■公益目的事業3
海外・帰国子女教育にかかわる教育相談・情報提供・広報・啓発および調査・研究
(12)教育相談
在外教育施設や帰国子女受入校での教育経験を持つ専門の教育相談員が、出国前から帰国後までの教育事情や学校選択、特別な配慮を要する子女のことなど、教育に関する相談対応を面談・Eメール(WEB)・電話等の方法により実施。企業や学校等の要請に応じて、国内外で講演会や相談会等を行う。
(13)情報サービス
海外赴任者やその家族、海外進出企業・団体等に対して、必要なアドバイスや情報提供を行う。
(14)企業・団体会員等への支援
企業・団体が実施する海外赴任者研修等に教育相談員等を講師として派遣し、海外子女教育に関する講演および教育相談を行う。企業・団体の海外駐在員派遣業務担当者を対象とした海外・帰国子女教育に関するセミナーを開催する。さらに、在外教育施設の基本情報および学費等を調査し、その結果を「専用サイト」上で提供または資料を配付するほか、必要なアドバイスや情報提供を行う。
(15)帰国子女教育支援
海外子女が帰国するにあたり、希望する学校の受入条件や状況が把握できる機会を設けることを目的として、学校説明会・相談会を国内外で開催するほか、教育相談員による海外巡回相談を実施する。また帰国子女受入校の学校案内等の資料を在外教育施設へ送付する。さらに帰国子女受入校や帰国子女教育に積極的に関わる機関等に対して支援を行うとともに、帰国子女教育に関する学校会員連絡協議会を開催する。
(16)調査・研究等
海外・帰国子女教育に関する調査・分析、資料等を収集するほか、海外の現地校等の実態調査を実施。海外・帰国子女教育振興のための提言を行うとともに、外部有識者と共働でグローバル人材育成を目的とした在外教育施設におけるカリキュラムの研究・開発等を行う。
(17)刊行物・資料配付
各刊行物等を発行・頒布する。

(2)2017年度収支予算
経常収益
…11億7161万円
経常費用
…11億7930万2千円
右記承認されたほか、「資金調達および設備投資の見込みを記載した書類」に関する議案が審議され、すべて異議なく承認された。

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