国内学校(帰国子女受入校)関係者のみなさま

学校会員連絡協議会 過去の開催

2015年度 学校会員連絡協議会(東京・2016/3/25開催)2017.10.02

 海外子女教育振興財団は3月25日、真福寺会議室(東京都港区)において、同財団の維持会員である帰国生受け入れ校の関係者を対象に「今後の学校教育を考える」というテーマで協議会を開催した。この会は各校の受け入れ体制をさらに魅力的なものにしていただくための情報交換の場として毎年、テーマを決めて行われている。

 当日は、海外や北海道、関西を含め58の小・中学校・高等学校・大学から83人、企業・省庁から教育相談員等2人の参加があった。

 はじめに、同財団の中村雅治理事長があいさつに立ち、日ごろの支援に感謝の意を表するとともに、多様化している帰国子女の現状について触れた。今後、受け入れ校は社会のグローバル化に対応できる力をどう育んでいくかが問われ、「どのような帰国生を受け入れ、どう教育するか」を明確に見せていく必要があるだろうと述べた。

 その後、同財団の事業部情報サービスチームの田嶋宏光主任が「本年度活動実績と次年度活動予定」を説明し、今後の協力体制にいっそうの理解を求めた。

 続いて、国内外のさまざまな教育現場を視察しているジャーナリストの増田ユリヤ氏が「突破する教育」と題した講演を行った。フィンランドの事例では、子どもや教員の希望を取り入れながら「居心地のよい環境」を追求している小学校や、原子力発電をテーマに高校で行われている選択科目「リスクに立ち向かう」についてなどのほか、教員同士のコミュニケーションを大切にする職員室の様子等が紹介された。また、フランスの事例ではいじめの問題を取り上げ、行政をはじめ学校や近隣住民等が一体となって子どもの人権を大切にする姿勢が報告された。

 増田氏は日本とは働き方が違う海外の教員の姿についても紹介しつつ「教育現場に必要なものはどこも同じ、情熱と行動力ではないか。日本の教育のよい点を認め、海外に目を向けることで問題解決のヒントになれば幸い」と語った。

 次に、国際基督教大学(ICU)高等学校の帰国生徒教育センター長兼教頭の原かおり氏が、同校のスーパーグローバルハイスクール(SGH)としての取り組みについて紹介した。社会の国際化に伴い、帰国生の受け入れのみならず送り出す≠スめの教育の必要性を感じ、「帰国生と国内生の相互理解に基づくグローバルリーダーの育成」という構想のもと、2014年度よりSGHの指定を文部科学省から受けていると説明。「対象は全校生徒であり、多様な生徒たちの多様な関心にこたえられるよう留学や交流会のほか、ICUや卒業生等と連携して行うさまざまな企画や外部プログラムに参加する機会を用意して、学びを共有化している」と話した。 

 SGHの導入により、帰国生には「自己肯定の場の増大」、国内生には「世界へ挑戦する勇気」が見られると手ごたえを語り、今後に向けては「生徒たちの多様性を大切にしつつ、ICU高校ならではの生徒間の信頼関係を土台としたSGHを追及したい」と述べた。

 質疑応答では、増田氏には「『帰国子女教育』は日本的発想か」、原氏には「SGHの取り組みに大切なことは何か」等の質問が途切れることなく挙がった。

 終了後、参加者からは「フィンランドの学校の『居心地のよさの追求』とフランスの学校の『人権を大切にする』姿勢はICU高校が重視していることに重なっているように感じて、教育の原点に触れた気がした」「居心地が悪いから問題が起きる、問題が起きるから居心地が悪くなるという考え方に共感を覚えた。子どもたちにも先生たちにも居心地のよい学校をどうつくっていくか、皆で真剣に考えていきたい」「教育は『人』であり、『思い』なのだと、改めて感じた」等の声が聞かれた。

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