月刊誌『海外子女教育2007年1月号』より
クアラルンプール日本人学校(2006年10月現在)
マレーシア



学校正面玄関
多様性の国

 急速に近代化が進む首都クアラルンプールは、ペトロナスツインタワーに象徴される超高層ビル群と異国情緒あふれる建築とが混在する人口約150万の大都市である。他方、周辺に足を伸ばせば魅力的な熱帯の島々、荘厳で神秘的な山々などの自然にも恵まれている。
 住民の六割はマレー系であるが、華人系、インド系の人々もそれぞれの文化を保ちながら穏やかに共存している。イスラム教を国教としているが、宗教の自由を認めているためヒンズー教、仏教、キリスト教の信仰も見られ、さまざまな文化が混在して活気にあふれている。食文化も多様であり、市内では驚くほど豊富な種類の料理に出会うことができる。



現地の教育環境

 学齢期の在留邦人子女は、現在1100人ほどである。永住者の子女を除いたうち7割強が本校に通学しているが、欧米のインターナショナルスクールも数多くあり、そちらへ通学している者もいる。
 マレーシアの学校制度は日本と同じ6・3制であるが、義務教育ではない。すべての学校は国が定めるカリキュラムに従って授業を行っている。多民族の国であるので、小学校段階では華語やヒンディー語で教育する学校も認められているが、国語であるマレーシア語は必修であり、中学校段階になるとマレーシア語での教育となる。国内に全寮制の中高一貫校を約40校設置するなど、国は2020年の先進国入りを目指して、国をリードする人材育成のための教育に力を入れている。



国際性豊かな日本人を育てる

イギリス統治時代の建物を利用した旧連邦庁舎
 本校は今年で開校40周年を迎えた。現在のスバン校舎は3代目にあたり、首都の南西郊外に位置する。7・1万平方bの敷地と3階建ての校舎という恵まれた環境の中で、子どもたちは元気に活動している。
 本校では学校教育目標である「たくましいからだ、豊かな心、優れた知性と国際性を備えた児童・生徒の育成」を実現するために、次のような特色ある教育活動を展開している。
EM、EC、IS
 英語を自然に身につけさせるため、小学部の全学年で3種類の英語活動を行っている。少人数クラスで歌や楽しいゲームを通して英語に親しむEM(イマージョン・ミュージック)とEC(英会話)、そしてネイティブスピーカーのコーチから英語で指導をうけるIS(イマージョン・スイミング)である。一年を通して水泳が可能な気候なので、生徒の泳力と体力は見違えるほど向上する。
課外サークル活動
 体力の向上と年齢の枠を超えた集団活動づくりを目的とし、課外活動と位置づけて実施している。運動系6、文化系2の計8サークルが、週1、2回活動している。本年度から参加対象を小学部まで広げ、小5から中3までの幅広い年齢集団で活動している。また、近隣の国際校との交流試合にも積極的に参加している。
中学部の体験的進路学習
 昨年度から、進路学習の一環として1年生で職場訪問、2年生で職場体験を実施している。国内とは異なり、ことばや送迎などあらゆる面で困難が伴うが、日系企業を中心とする約30社の協力により実施が可能となった。日常の生活圏が国内の子どもよりも狭い生徒たちにとって、接客、製品検査、編集作業、店舗装飾などの体験は、活動を通して職業について学ぶ貴重な機会となっている。
カンポン・ホームステイ
 現地校との相互訪問と並ぶ、本校の特色ある国際交流の取り組みである。小学5年生以上から希望者を募り、1学期終了直後にカンポン(農村、田舎)で2泊3日のホームステイを行っている。総勢100人を超える子どもたちが2、3人ずつのグループに分かれて現地のホスト・ファミリー宅に滞在し、マレーシアの田舎の暮らしにどっぷりと浸る。また、地元の村のかたがたと文化交流会を開催し、琴の演奏や剣道、創作ダンスなど自分たちの企画した出し物で日本の文化を紹介する。
     
 日本と同等の教育課程を実施しながら、海外という地の利を生かした特色ある活動を展開できるところに、在外教育施設における教育の醍醐味(だいごみ)がある。開校40年という年を節目として、子どもたちの顔にさらなる充実感がみなぎるような学校を目指していきたい。
てる子どもたちを育てていきたい。



ネイティブスピーカーの先生との英会話の授業
 小学部1年 相手校で国際交流会
ココナッツボーリングに挑戦



















 現地名称 The Japanese School of Kuala Lumpur
 URL http://www.jskl.edu.my
 児童生徒数 幼=130人 小=620人 中=162人