| 月刊誌『海外子女教育2006年11月号』より 上海日本人学校(2006年7月現在) 中華人民共和国
近代的な超高層ビル群、その谷間を縦横無尽に走る高速道路網、通りにはおしゃれなブティックや世界各国の料理を味わうことのできるレストランが軒を連ねる。近年の高度経済成長の波に乗り、全世界からぞくぞくと企業が押し寄せている上海は、いま世界でいちばんエネルギッシュでクールな町といえよう。統計上の人口は1700万人、だがその4分の1は外国人も含めた他都市の出身者である。 2010年の上海万博を控え、雑居ビル群は次々とモダンな建物へと生まれ変わり、町並みは刻一刻と違った顔を見せている。かつては租界地があったレトロな町並みも残り、近代ビル群とのコントラストがエキゾチックなムードを漂わせている。 現地の教育環境 現在、上海では本校を含み外国籍の子女を受け入れる学校は16校以上に及ぶ。本校は虹橋(ホンチャオ)校(小学部1592人)と浦東(プートン)校(小学部387人、中学部453人)を合わせて2432人の大規模日本人学校で、ほとんど日本国籍を有する児童だが、市教育委員会から入学許可を得た中国籍児童も十数人在籍している。上海における在留邦人子女の就学状況として、現地校には小学1年から中学3年まで約200人、インターナショナルスクール(近隣の蘇州・杭州も含む)には265人の児童生徒が在籍している。現地校やインターナショナルスクールでの使用言語は、英語もしくは中国語となる。 のびゆく上海日本人学校
本校の前身は、日中国交正常化三年後の1975年2月7日に発足した「上海補習校」で、週1回の授業を行っていた。その後、全日制の補習校を経て、87年に上海日本人学校として開設された。今年度で20年目を迎える。その間、中国政治情勢の安定や積極的な開放政策、またWTO加盟により外国企業の投資環境が整ったことから、在留邦人の増加とともに、児童生徒が急激に増えている。そのため今年4月、上海で2校目となる浦東校を開設した。 本校の教育は、文部科学省学習指導要領に準拠した初等中等普通教育を施すことを目的としている。また、中国語と英会話を全学年で実施するなど中国にある日本人学校としての特色も取り入れている。2004年度より配置された国際交流ディレクターを中心に現地および国際交流学習も各学年で行っている。特に小学部3年生以上の「総合的な学習の時間」を「上海タイム」として、交流・体験・見学などの場を設定し、“上海ならでは”の教育の深まりや広がりを探っている。 本年度、虹橋校は小学部のみとなったため、従来の教育課程を見直した。午前中の時程に業間時間(ふれあいタイム)を設けて、全校の児童が同じ時間を共有しながら、共に遊び共に学ぶ意義を深めたり、5・6年生全員参加による「委員会活動」や「クラブ活動」で自治的な集団づくりを目指したり、基礎学力の定着や応用力を伸ばすために15分間の「スキルタイム」を週に3〜5日設置したりしている。 4月に開校した浦東校は、上海科技館の南隣にあり、小・中学部を併設している(特別支援学級を新設)。教育課程は、ほぼ虹橋校と同じだが、小中併設を生かした、特色ある教育活動を展開している。 活気に満ち、日々変貌(へんぼう)を遂げる上海の地で、使命感と確かな実践力を持った教師集団と、好奇心と感性豊かな子どもたち、そしてそれを支える保護者が共に日々活気ある活動を続けている。
現地名称 Shanghai Japanese School URL http://www.srx.net.cn 児童生徒数 小=1,979人 中=453人 |